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真空




真空とは

 真空とは大辞林 第二版では「物質が全く存在しない空間。」というように定義されて いるがJISでは「大気圧より低い圧力の気体で満たされている特定の空間の状態」とされ ている。電子顕微鏡では後者のJISが定義している「真空」を扱う。
 大気圧というのは天候や高度によって異なる。しかしここでは1気圧。つまり1013hPa (ヘクトパスカル)であり、これは1.013×105Paを大気圧と考える。つまり 真空とは1×105Pa以下の状態ということになる。


真空を作り出す

 大気圧のもとで真空を作るには密閉された容器と真空ポンプを用いる。
 真空ポンプとは空気を汲み出すために作られたポンプだ。これを用い、密閉された容 器から空気を汲み出せば容器内部は真空となる。


電子顕微鏡と真空

 電子顕微鏡では電子銃から出た電子を試料にぶつけることで観察する顕微鏡だ。しか し電子は空気中に存在する窒素分子や酸素分子などと衝突すると拡散してしまう。つま り電子銃と試料の間に空気が存在すると電子が届かず観察することができなくなる。そ のために電子顕微鏡内は真空に保つ必要がある。


必要な真空度

 「電子顕微鏡で真空が必要」と言ってもどのくらいの真空が必要なのかは分からない。 電子顕微鏡では「電子が試料に届くまでに他の分子に衝突しない程度の真空が必要」に なる。他の分子と衝突するまでの距離のことは一般に「平均自由行程」と呼ばれる。つ まり平均自由行程が十分に長いことが要求される。
 まだ製作する電子顕微鏡における大きさや電子線のエネルギーなどの仕様がないため はっきりとした数値は不明だが、電子銃から試料までの距離は長くても1m程度に収まる と考えられる。平均自由行程が1mではまずいので安全のため10倍の距離を取り、平均 自由行程を10mに設定する。
 電子や窒素分子、酸素分子が入り混じった状態での平均自由行程を計算するのは非常 に煩雑であり、また、それほどの理論的な計算精度は必要ではないので窒素分子の25度 における平均自由行程が10mになる真空...10-3Pa以上の真空を目 標にする。










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