微生物とは

「微生物」とは?

 生化学辞典によると微生物とは「顕微鏡を用いてしか見ることのできないような微小な 生物の総称。」と定義されている。
 つまり、ウイルス、細菌類、カビ(真菌類)...などなど小さい生物のことだが、定義に 「顕微鏡を用いてしか見えない」というなんとも曖昧な項目があることからいわゆるミジンコ などのように小さいけど目でも見ることができる生物は微生物ではない??という問題が議論 されることもある(狭義の意味では微生物には含まれないが大義には含まれる。用は言葉の使 い方の問題)。そのため大義の微生物のことを「微生物」と呼ぶこともある。
 ちなみにこのサイトでは「微生物」を非常に広い意味を含んだものとして考えている。


 余談ではあるが微生物と似た言葉の1つに「プランクトン」がある。これは「浮遊生物」の 意味であり、生物の大きさには無関係な定義だ。つまり何十メートルあるような大きな生物 でも自力で泳ぐことができずに浮遊生物しかできないのであればプランクトンの1種だ。
 また「浮遊」という言葉にも曖昧な部分があり、実際に遊泳生物、底生生物とともに分類 しようとするとどれにも当てはまる種類が多い。


顕微鏡で見れる微生物

 池など水が貯まっているところの水を顕微鏡で観察すると数多くの微生物を見ることがで きる。
 ミジンコやゾウリムシといった自分で動き回る「動物性」の微生物や、イカダモやネンジ ュモのような葉緑体を持ち動かない「植物性」の微生物、ミドリムシのように葉緑体を持つ にも関わらず動き回る「動植物性」の微生物、そして普通の光学顕微鏡では見えてもほとん どの場合、点にしか見えない「細菌類」だ。

※ ここで挙げている「動物性」「植物性」といった分類も相当の曖昧さ を含んでいる


微生物の分類

 微生物も当然のことながら「生物」なのできちんとした種名(学名)が割り当てられて いる。例えば教科書などに載っている「ゾウリムシ」の学名は「Paramecium caudatum」 のようになる。系統分類は「原生生物界 繊毛虫 梁口綱 ナスラ亜綱 ゾウリムシ目 ゾウ リムシ属」のようになるが、これは分類学者によって分類の方法が違うので"これが正解" というような分類はない


微生物の同定

 顕微鏡で見た微生物の種類を調べるのは非常に困難だ。微生物は小さくただでさ え細かい所を見づらいのに、似たような種類が非常に多いため、種名まできちんと同定す るのは大変なわけだ。
 例えばケイソウ類はガラス質の殻に包まれている微生物だが、この殻は種固有の形をし ている。そのため顕微鏡で観察する前にアルカリや界面活性剤、熱などで有機物を取り除 く前処理をする必要がある。ほかにもネンジュモ類は種同定に胞子のような役割を担うア キネート細胞の観察が必須なため、アキネート細胞の存在する個体を探すか、観察できる まで培養をする必要がある。
 このように種の同定は難しいことがあるので、個人的には種まで同定できたときはラッ キーとしてその上の属名までを特定できるようにガンバルのがいいだろう。


微生物の採取

 微生物はどこにでもいる...学校や公園にある池などが1番手軽だろう。フィルムケ ースを用意し(カメラ屋やDPE店に行けば無料でもらうことができます)、そこに池で微 生物がいそうな葉っぱやアオミドロなどを池の周りに落ちている枯れ枝を使って詰めて持 って帰ればいい。
 採取したサンプルを観察しても数種類の微生物しか観察できないことが多い。しかし、 そのフィルムケースを蓋を閉めたまま日当たりのいいところに数日置いておくと...採 取した日には見られなかった微生物が観察できることが多い。これは採取したサンプル中 に含まれている微生物の胞子や卵などが環境の変化により活動を開始するためだ。そのた め採取したサンプルはできるだけ長い間保存し定期的に観察するといい。



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