PlanAPOレベルの対物レンズでも撮影には不向き?!

 結論から書くと、Plan APOの最高級対物レンズは色収差が激しくて写真撮影には向かない ようだ。
 今回のテストではPlan APOの対物レンズとNikon Macro-Nikkorを利用した。どちらのレンズ での撮影も光学設計からかなり外れた条件で撮影している。また絞りや拡大率などの撮影条件 も統一していない。そのためお世辞にも公平な比較とは言えない。とは言うもののどう見ても Plan APOレンズは写真撮影に向かないように思えた。



 OLYMPUS SPLAN APO 4をカメラに取り付けただけの状態で撮影。つまり絞りは開放。
 このレンズは本来ならば鏡筒長を160mmに取るように設計されているレンズだが、 イメージサークルが大きいので今回は80mmぐらいの長さで撮影した。そのためトンボの目が 広く撮影できた。
 下の大きな写真は拡大したもの。被写界深度が浅いものの複眼はしっかり写っている。
  (2006:08:04 21:03:33,NIKON D200, マニュアル, F2.0(1C,A), 10/30, 0.0, ISO1000, 6mm)


  (2006:08:04 21:03:33,NIKON D200, マニュアル, F2.0(1C,A), 10/30, 0.0, ISO1000, 6mm)

 さらに絞り機構を利用して絞って撮影。被写界深度がかなり深くなり、トンボの頭 の全体像がよくわかる。
 下の大きな写真は拡大したもの。注目すべきは右下に写っている縦の線。白い糸のような ものが写ったものだが…色収差が激しく赤/白/青にしっかり分離している。開放で撮影した 上の写真の中央部もよく見ると色収差がかなり現れていることに気付く。
  (2006:08:04 21:02:01,NIKON D200, マニュアル, F2.0(1C,A), 80/10, 0.0, ISO1000, 6mm)


  (2006:08:04 21:02:01,NIKON D200, マニュアル, F2.0(1C,A), 80/10, 0.0, ISO1000, 6mm)

 Nikon Macro-Nikkor 35mm/F4.5をカメラに取り付けて絞り開放状態で撮影。OLYMPUS SPLAN APO 4 とは焦点距離が異なるレンズのため、若干鏡筒長を長くして拡大率をだいたい合わせている。
 下の大きな写真は拡大したもの。ぱっと目でもOLYMPUS SPLAN APO 4よりも映りがシャープで色収差 も見られない。
  (2006:08:04 22:20:12,NIKON D200, マニュアル, F2.0(1C,A), 40/10, 0.0, ISO200, 6mm)


  (2006:08:04 22:20:12,NIKON D200, マニュアル, F2.0(1C,A), 40/10, 0.0, ISO200, 6mm)

 さらに絞って撮影。左下など写真周辺部を見てもOLYMPUS SPLAN APO 4のように大きな色収差は 見られない。
 下の大きな写真は拡大したもの。「顕微鏡用のレンズに絞り機構を付ければMacro-Nikkorの出番はない」 と今まで思っていたが…やはり顕微鏡用の対物レンズでの撮影はやめたほうがいいのかもしれない。
  (2006:08:04 22:19:29,NIKON D200, マニュアル, F2.0(1C,A), 300/10, 0.0, ISO200, 6mm)


  (2006:08:04 22:19:29,NIKON D200, マニュアル, F2.0(1C,A), 300/10, 0.0, ISO200, 6mm)

 今回撮影に利用したレンズ。左は最高級ランクの顕微鏡用対物レンズ「OLYMPUS SPLAN APO 4」。 右は接写システム用に販売されていたカメラ用ながら顕微鏡マウントのレンズ「Nikon Macro-Nikkor 35mm/F4.5」。
  (2006:08:04 21:50:53,NIKON D200, 絞り優先, F16.0(A0,A), 10/600, 0.0, ISO200, 60mm)

 OLYMPUS SPLAN APO 4は「Plan APO」と呼ばれる写真撮影のために設計された顕微鏡用対物レンズ。 視野の中心から周辺部まで色収差を抑えた設計になっている。この対物レンズ1本で新品では何十万円 もする非常に高価なもの。
 今回はこのレンズに絞りを取り付け、さらにNikon Fマウントに変換してカメラに取り付けた。
  (2006:08:04 21:51:10,NIKON D200, 絞り優先, F16.0(A0,A), 10/600, 0.0, ISO200, 60mm)

 Nikon Macro-Nikkor 35mm/F4.5はニコンが昔リリースしていた接写装置用のレンズ。カメラ用のレンズ にも関わらず、マウント部分は顕微鏡と同じねじマウントを採用している。もともとカメラ用に設計された レンズなので絞り機構も備えている。このレンズは本来拡大率12倍付近を念頭に設計されたものだが、今回 はこれよりもはるかに低倍率側で利用している。
  (2006:08:04 21:51:23,NIKON D200, 絞り優先, F16.0(A0,A), 10/600, 0.0, ISO200, 60mm)

 今回お世話になった赤トンボ。今朝家の前で死んでいるのを発見したため利用した。
  (2006:08:04 21:51:48,NIKON D200, 絞り優先, F16.0(A0,A), 10/600, 0.0, ISO200, 60mm)

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