pLysEとpLysS
pETシステム(その3)



【pLysE】

 pLysEとpLysSにコードされるT7リゾチーム遺伝子はtetプロモータ部位からT7 RNA
ポリメラーゼによる転写を受ける。

 pLysEではT7リゾチームのすぐ後ろにはT7 RNAポリメラーゼ遺伝子がコードされて
いる。このT7 RNAポリメラーゼはtetプロモータからのリードスルーおよびφ3.8プロ
モータによって転写される。ただしφ3.8プロモータは転写活性が低いので転写に対
する寄与は小さい。
 T7リゾチームが転写されるとそれよりも割合は落ちるもののリードスルーによるT7
RNAポリメラーゼの転写が起きるため、細胞内にはT7リゾチームとT7 RNAポリメラー
ゼが大量に蓄積する。
 クロラムフェニコール耐性遺伝子も備えているため選択に用いることが出来る。終
濃度34μg/mlを添加する。pLysEにより菌の生育は遅くなる。

        転写方向
        →→→→→→→→→→→→→→ →→→→→→→→→→→→→→→→
        tet promoter   T7 Lysozyme   φ3.8 promoter  T7 RNA Polymerase
    +--|============|-|===========|-|==============|-|=================|--+
    |                                                                     |
    |                             【 pLysE 】                             |
    |        Cm耐性                                                       |
    +-------|======|------------------------------------------------------+



【pLysS】

 pLysSではT7 RNAポリメラーゼ遺伝子tetプロモータからとは反対向きに組み込まれ
てるため、φ3.8プロモータおよびφ10プロモータによる転写を受ける。この場合も
転写に対する寄与はφ10プロモータの方が大きい。ただしpLysEの場合と異なりtetプ
ロモータからのリードスルーが無いためT7 RNAポリメラーゼおよびT7リゾチームの蓄
積は少ない。
 クロラムフェニコール耐性遺伝子も備えているため選択に用いることが出来る。終
濃度34μg/mlを添加する。pLysSにより菌の生育は若干遅くなる。

        転写方向
        →→→→→→→→→→→→→→ ←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←
        tet promoter   T7 Lysozyme   T7 RNA Polymerase  φ3.8 promoter      ↑
    +--|============|-|===========|-|=================|-|==============|--+ ↑
    |                                                                     | ↑
    |                            【 pLysS 】                              | ↑
    |        Cm耐性                                φ10 promoter          | ↑
    +-------|======|------------------------------|=============|---------+ ↑
                                                   →→→→→→→→→→→→→




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