pETの概要
pETシステム(その1)




 発現したいタンパク質をコードする遺伝子をNdeI、BamHIサイトに挿入する。
このプラスミドをBL21(DE3)に形質転換するとT7 RNAポリメラーゼによって目的
遺伝子がmRNAに転写され発現する。
 アンピシリン耐性遺伝子も備えているため選択に用いることが出来る。終濃度
50μg/mlを添加する。

                     NdeI                BamHI
                     ↓                  ↓
        T7 promoter   TargetProtein'sGene
    +--|===========|-|===================|-------+
    |                                            |
    |               【pETプラスミド】            |
    |                              Amp耐性       |
    +-----------------------------|=======|------+


 「(DE3)」というのはλ-DE3というバクテリオファージが溶原していることを
示す。このλファージはT7 bacteriophage gene Iと名づけられた遺伝子を持つ。
この遺伝子は大腸菌由来RNAポリメラーゼにより転写されるT7 RNAポリメラーゼ
をコードする。この遺伝子の転写はlacUV5オペレータにリプレッサータンパク質
lacIが結合することで阻害される。

        promoter   lacUV5 operator   T7 RNA Polymerase
    +--|========|-|===============|-|=================|---+
    |                                                     |
    |                  【大腸菌ゲノムDNA】                |
    |                                                     |
    +-----------------------------------------------------+


 大腸菌を培養している状態では細胞内に存在するlacIリプレッサーがlacUV5オペ
レータに結合している。そのため、大腸菌由来のRNAポリメラーゼはT7 RNAポリメラ
ーゼ遺伝子を転写できず、細胞内にはT7 RNAポリメラーゼが存在しない。pETプラス
ミドに組み込んだ目的遺伝子はこのT7 RNAポリメラーゼにより転写されるものなの
でこの状態では発現しない。
 しかし、培地にIPTGを添加するとIPTGはlacIと結合するためT7 RNAポリメラーゼ
による転写が開始され、細胞内にこのポリメラーゼが存在するようになる。すると
pETプラスミドに組み込んだ遺伝子が転写され発現するようになる。
 添加するIPTGの量は通常0.4mM、後述のT7lacプロモータ利用の場合は1mMをファイ
ナル濃度とする。



カテゴリー「遺伝子操作」 のエントリー