ヒトHSP70によるAP endonucleaseの活性化

 ヒトheat shock protein 70(HSP70)とヒトAP endonuclease(HAP1)との相互作用が 抗体を用いた共沈殿方法から知られている。HSP70の共存下ではHAP1の活性が10~100倍 促進された。

 Uracilを含むdsDNAを基質とし、UDG、HAP1、HSP70の3つの酵素を組み合わせて反応させ たところ、1.5minまでの反応ではこれら3つの共存下でのみ活性が見られた。180minまで 反応させるとUDGとHAP1の2種の共存でも活性が検出できた。
 APサイトを含むdsDNAとのゲルシフトを見たところ、37℃でも0℃でもHSP70の量が多い ほどシフトする量が大きかった。
 HSP70はATPase活性を有するためATPの存在でゲルシフトが変化するかどうかを見たとこ ろ、変化はなかった。
 APサイトを含むcovalently closed plasmid DNA(cccDNA)がAPE1で切断される活性を 見たところ、HSP70が存在したほうがHSP1の活性が高かった。しかし、ある程度以上HSP70 の濃度が上がるとそれ以上は活性の促進が見られなかった。

 HSP70だけでなくHSP27もまたHSP1の活性を促進することが知られている。このことか ら、分子シャペロンの機能としてAPEの活性化があるのかもしれない。今回用いたHSP70 はE. coliのAP endonuclease IVの活性を促進しないことが報告されている。こ のはHSP70とHSP1とは特異的に活性化していることを示しているのかもしれない。


≪文献≫
The Journal of Biological Chemistry, 2001, Vol.276, No.12 9532-9536
Heat Shock Protein 70 Binds to Human Apurinic/Apyrimidinic Endonuclease and Stimulates Endonuclease Activity at Abasic Sites
Mark K. Kenny, Frances Mendez, Margarita Sandigursky, Raichal P. Kureekattil, Joshua D. Goldman, William A. Franklin, Robert Bases

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