hMYHの2-OAとの反応とmRNAバリアント

 nuclear extract由来のhMYHにはAO:G、A:G、AO:A、AO:T、AO:C、AO:GO、A:GO、に対する adenine DNA glycosylase活性があった。A:GOに対するlyase活性は確認できなかった。AP サイトに対するlyase活性はわずかだがあった。

 cDNAから予想されるhMYHの分子量は59kDだが、今回精製した分画からは52kDのタンパク質 が得られた。またJurkat cellではnuclear extractからは52kDのメインバンドと53kDが、 mitochondrial extractからは57kDが得られた。57kDのミトコンドリア内での局在を見たと ころ、内膜に存在していた。
 HeLa細胞でhMYH mRNAをRT-PCRにて集めたところ10種類のmRNAが得られた。5'末端の配列 からα(4種)、β(3種)、γ(3種)の3つに分けることができ、従来から知られていた ものはα3だった。このことからhMYHの発現時には最低3箇所の転写開始点があると考えられ る。
 hMYH mRNAをnorthern blotでみたところ、Thymus、Testis、adult brain、kidneyで発現 が多く見られた。逆にheart、salivary gland、liver、pancreasでは発現が少なかった。
 Fetal brain、adult brain、kidneyで見られたmRNAをRT-PCRで調べたところ、どの組織で もαタイプの中ではα3がめいんで、Kidneyではα4が少なく、brainではα4>α1だった。 βタイプではどの組織中でもβ3、γタイプではγ2かγ3がメインだった。

 E. coliのMutYは2-OH-adenineに対して活性を持たないが、hMYHは活性を持つ。 hMTH1は8-oxo-dGTP、8-oxo-GTP、8-oxo-dATP、2-OH-dATPを一リン酸に加水分解する。MutT は8-oxo-dGTPおよび8-oxo-GTPのみに活性を持つ。また、8-oxoguanineの認識に働いている と言われているMutYとhMYHのC末ドメインがMutTやhMTH1とホモロジーが高いことから、これ らのアラインメントによりどの残基が8-OGや2-OAの認識に働いているのかがわかるかもしれ ない。実際にアラインメントをしたところ、hMYHの18残基がMutTやMutYで保存され、これが 8-oxoguanineの認識に、hMYHの21残基がhMTH1で保存され、これが2-OH-adenineの認識に働 いている可能性が考えられる。


≪文献≫
Nucleic Acids Research, 2000, Vol.28, No.6 1355-1364
Identification of human MutY homolog (hMYH) as a repair enzyme for 2-hydroxyadenine in DNA and detection of multiple forms of hMYH located in nuclei and mitchondria
Toshio Ohtsubo, Kenichi Nishioka, Yasuyuki Imaiso, Shigenori Iwai, Hidetoshi Shimokawa, Hisanobu Oda, Toshiyuki Fujiwara, Yusaku Nakabeppu

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