Phosphorylaseは酸化障害RNAと結合

 guanineが酸化することで生じる8-oxoguanineはcytosineやadenineと対を形成する。その ためmRNAへの転写エラーを引き起こす。エラーを抑制するために細胞内には8-oxoguanineを 含んだRNAに対する認識機構が存在すると考えられている。ここではEscherichia coli が8-oxoguanineを含んだRNAと特異的に結合するタンパク質を持つことを報告する。

 8-oxoguanineを含むRNA(poly OG:A)と含まないRNA(poly U:A)についてRNase A処理で どちらも分解されるが、細胞分画の存在下では8-oxoguanineを含んだRNAは分解されなかっ た。
 ゲルシフトを行なったところ、8-oxogunanineを含んだRNAと細胞分画において2つのバン ドが検出できた。これらのバンドは8-oxoguanineを含まないRNAでは現れずまた過剰量のRNase A 処理によっても検出できた。
 この複合体の形成はyeast tRNA、8-oxoguanineを含んだ21merのssDNA、8-oxoGTPによって 阻害されることはなく、500倍過剰量のpolyGによって少量阻害された。

 二次元電気泳動のパターンからこのタンパク質は77kDのpolynucleotide phosphorylase( Pnp)でることが分かった。Pnp遺伝子pnpを欠失した細胞分画では8-oxoguanineを含 んだRNAへの結合は観察できなかった。

 paraquatによる菌のコロニー形成に対する影響を調べた。その結果、WTではparaquat感受 性なのがpnp欠損株では非感受性になった。また、RNase欠損との影響ではRNase Eや RNase IIを欠損してもparaquat感受性に対する変化は見られなかった。この場合でもpnp 欠損株が非感受性であった。

 polynucleotide phosphorylaseはE. coliにおいてmRNAのturnoverに関わるRNA degradosome のコンポーネントとして知られている。これはRNase IIかPnpによって行なわれる3'-5'exonucleolytic degradationに続きRNase Eによるecdonucleolytic cleavageが起きるというmRNA turnover が考えられている。
 Pnpが8-oxoguanineを含むRNAと結合することは、損傷を受けたRNAを転写・翻訳系から遠ざ けるのに役立っていると考えられる。一方pnp欠損株がparaquatに対し非感受性なの は酸化障害にPnpが関与している証と取れる。


≪文献≫
Biochemistry, 2001, Vol.40, No.33 9977-9982
Specific Binding of 8-Oxoguanine-Containing RNA to Polynucleotide Phosphorylase Protein
Hiroshi Hayakawa, Michihiko Kuwano, Mutsuo Sekiguchi

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