CD(Circular Dichroism)
~円二色性~

 CDが何か?円二色とは?楕円率?ORD?
 この辺の話しについてはとりあえず理解していないので参考書を見てください。光が 回転するとか吸収と旋光が両方起きてウンタラとかまったく不明です。


 CDで得られた値[θ]obsはたいていの場合、単位が[m deg]であり、 このままではその後のデータ処理に使えない。平均残基モル楕円率[θ]へ変換する必要がある。
 [θ]=[θ]obs/(l・C)
   [θ] : 平均残基モル楕円率  [deg・cm2/d mol]
   [θ]obs: 楕円率     [deg]
    l  : セル長    [m]
    C  : 残基モル濃度 [M]
         ※ [残基モル濃度]=[タンパク質のモル濃度]×[タンパク質の残基数]

 例えば、
   [θ]obs=-30×10-3 deg
   l = 0.1 cm
   C = 2.691 mM
  [θ]=-30×10-3 deg/(0.1 cm×2.691 mM)
    =-30×10-3 deg/(0.1 cm×2.691×10-3 mol/dm3)  (M = mol/dm3
    =-30 deg dm3/(0.1 cm×2.691 mol)
    =-30 deg×103 cm3/(0.1 cm×2.691 mol)    (dm3 = 103 cm3
    =-30 deg×103 cm2/(0.1×2.691 mol)
    =-30×104 deg cm2/(2.691 mol)
    =-30×104 deg cm2/(2.691×10 d mol)     (mol = 10 d mol)
    =-30×103 deg cm2/(2.691 d mol)
    =-30/2.691×103 deg cm2/d mol
    ≒-11.1×103 deg cm2/d mol

 以下ではこうして変換した後の[θ]を使用している。



200~250nmのCDスペクトル


 200~250nmでCDを測定するとそのタンパク質の二次構造に関する情報がちょっとだけ 得られる。
 fH = -([θ]222+2340)/30300 (Chen and Yang, 1971/1972)
   (fH:αへリックス含量)
 例えば右図では[θ]222=11052なのでαへリックス含量は 44.2%と分かる。
 また、 fH = -[θ]222/24000 という式を用いることもある。

 βストランドの含量に関しては求められるという報告もあるが実際にはβストランド の存在する環境によってCDが大きく変化するため誤差が大きくなり信用できる予測結果 は得られない。しかしながら、βストランドが多く存在するかどうかは218nmにピークが あるかどうかで分かる。

ピークの帰属
  209nm : αへリックス由来(π->π*
  222nm : αへリックス由来(n->π*
  218nm : βストランド由来
 これらからCDのスペクトルを見れば、そのタンパク質にどの構造が多く含まれているか が分かる(右上図では209nm、222nmのピークがハッキリ見えるのでαへリックスが多いタ ンパク質)。
(CDスペクトル測定条件:残基モル濃度2.691mM、25℃、pH7.5、20mM KPi、100mM KCl、10% glycerol)




CDによる熱変性測定


 タンパク質溶液の温度を変化させながらCDを測定すると、熱安定性に関する情報が得られる。 一般に測定する波長は222nmを用いる。
 低温から高温へ変化させたとき、ある温度で[θ]が上昇し一定の値を取る。このとき、低温時と、 高温時の[θ]の真ん中の値を取る温度を変性温度(Tm)と呼ぶ。左図ではTm=65.5℃となる。

 さらに1度高温に上げてから再び低温に下げるとタンパク質によっては昇温時と同じような 曲線を描くことがある。これは1度熱で構造が壊れたものが低温になることで再び構造が戻る ことを示すので熱変性に対し可逆的なタンパク質だと分かる。
 逆に、再び温度を下げてもCDの値は高温時の値そのままの場合がある。これは構造が元に戻ら ないことを示すので熱変性に対し不可逆的なタンパク質だと分かる。
(CDスペクトル測定条件:残基モル濃度2.691mM、昇温速度1℃/min、pH7.5、20mM KPi、100mM KCl、10% glycerol)


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