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抗生物質




アンピシリン(Ampicillin)

  細菌細胞壁合成阻害剤
  アンピシリンによって細菌細胞壁のペプチドグリカンの架橋合成が阻害される。
 架橋形成の阻害自体は細菌にとって毒性がないが、ペプチドグリカンの架橋阻害
 により細胞増殖の度にペプチドグリカンが薄くなる。すると細胞壁による細胞の機
 械的強度が低くなるため、細胞外液が薄い場合、浸透圧により水が細胞内に流れ込
 み溶菌が起きる。結果として数回分裂すると細菌は死ぬことになる。
  動物細胞や植物細胞にはもともとペプチドグリカン層がないためアンピシリンは
 作用しない。
  アンピシリン耐性遺伝子はβ-ラクタマーゼという酵素をコードしている遺伝子。
 この酵素を持つ細菌はアンピシリンのβラクタム環を加水分解できるためアンピシ
 リンを含んだ培地でも生育が可能となる。
  一般に形質転換を行う際には目的の遺伝子とアンピシリン耐性遺伝子を含んだプ
 ラスミドを大腸菌へ入れる。プラスミドが入らなかった大腸菌はアンピシリンによっ
 て死ぬため、プラスミドが入った大腸菌、すなわち目的の遺伝子が入った大腸菌の
 みが選択できる。

   aminobenzylpenicilin
   分子量	349.42
   pKa	約2.5, 約7.0
   培養濃度	50μg/ml
   保存濃度	50mg/ml
   保存温度	-20℃

   試薬はアンピシリンナトリウムという粉末の形で販売。冷蔵庫で遮光保存する。
   毎回溶かして使うのは面倒なのでアンピシリンナトリウムを20%EtOHに50mg/mlで
  溶解。この溶液を-20℃保存しておく。使うときは培養液1000に対して1入れる。
  すなわち、培養液が1リットルならば1mlを加える。アンピシリンは熱に弱いので
  オートクレーブ後、温度が下がってから加える。
   EtOHに溶解しないと-20℃下でガチガチに凍って大変なことになるので注意。

   話しによるとアンピシリンの分解速度定数はpH5.8、35℃で2×10-7[/sec]らしい。
  このことを使うとアンピシリン濃度[Amp]0の溶液のt秒後の残存アンピシリン
  濃度[Amp]は以下の関係となる。

   [Amp] = [Amp]0 × exp(-2×10-7×t)

   この式から計算すると溶液を作成してから1ヶ月間35℃保存すると元の溶液の59%
  の濃度まで分解してしまうことが分かる。












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