ToUcam Pro冷却改造


改造前のPhilips ToUcam Pro

惑星撮影に絶大な威力を発揮するToUcam Proだが、そのままでは星雲・星団の撮影は 難しい。
まずは露出時間の問題。これは長時間露出改造により解決できる(別ページ参照)。
次に熱ノイズの問題。これは今回紹介するペルチェ素子による冷却CCD化により解決 できる...たぶん。
  (2003:09:28 16:39:27,FinePixS1Pro, 絞り優先, F2.8, 1/15, -1.2, 54mm)

改造後の冷却ToUcam Pro

冷却改造するときにはいかに結露を防ぐかがネックになる。今回は密閉したケース内に CCDと乾燥剤を入れることで結露を防ぐ方法を採用する。
望遠鏡との接続はニコンFマウントで、光路側の密閉用の窓としては一眼レフカメラ用の MCフィルタを用いる。
  (2003:10:11 15:57:38,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/2, 0.7, 54mm)



主な材料


Nikonの接写リングK

Nikon Fマウントのボディとレンズの間に挟むことでフランジパックを調整 するためのもの。
右手前からK1(単体でレンズとボディに挟むリング)、K2(ボディ->52mmフィ ルタ径)、K4(52mmフィルタ延長筒10mm)、K5(52mmフィルタ延長筒20mm)、K3 (52mmフィルタ径->ボディ径)。
  (2003:10:08 17:46:52,FinePixS1Pro, 絞り優先, F11, 1/8, -1.2, 54mm)

Nikonの接写リングK

接写リングを全て結合するとこのようになる。延長筒などの組み合わせでフラン ジパック長を色々にすることが可能。
  (2003:10:08 17:48:44,FinePixS1Pro, 絞り優先, F9.5, 1/10, -0.9, 54mm)

Nikonの接写リングK

今回の改造では接写リングのうちK3とK4を使ってToUcamをFマウント に接続する。
  (2003:10:08 17:47:43,FinePixS1Pro, 絞り優先, F11, 1/10, -0.6, 54mm)

ステップアップリングとフィルタ

ToUcam Proを入れたケースを52mmフィルタ径にするために39mm->52mmのステップアップリングを、ケースの密閉に52mmフィルタを使用する。

  (2003:10:08 17:49:51,FinePixS1Pro, 絞り優先, F13, 1/10, -0.6, 54mm)

改造用のリングを4つ取り付けた状態

上からK3、K4、52mmフィルタ、ステップアップリング。
  (2003:10:08 17:50:25,FinePixS1Pro, 絞り優先, F13, 1/6, -0.6, 54mm)

ペルチェ放熱用クーラー

パソコン用のCPUクーラー。SILENT DRACO P4(DI4-8KD3B-OL)というもので Pentium4 3.2GHz対応でヒートシンクは80×83×50mm、ファンは80×80×25mmで 2500rpm 26db(A)らしい。PCショップで税別2770円。私が普段使っているパソコ ンのファンは300円くらいの安物なのに...
  (2003:10:08 17:51:24,FinePixS1Pro, 絞り優先, F13, 1/2, 0.3, 54mm)

ケース

ToUcam Proを収めるためのケース。TAKACHI YM-115。サイズは115×80×20mm。 税別510円。
  (2003:10:08 17:52:47,FinePixS1Pro, 絞り優先, F13, 1/15, -1.2, 54mm)

M1.4ネジ

ToUcam Proの基板を固定するためのネジ。20個で税別300円。必要なのは1個だけ なのに...残りの19個はゴミ?
  (2003:10:08 20:37:51,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/6, 0.7, 54mm)

M1.4ナット

ToUcam Proの基板固定&スペーサー代わりに使用するナット。50個で税別300円。 これも必要なのは数個だけだというのに...ネジのナニワさん!バラ売りしてく ださいよ(購入時店員さんには聞いていません。もしかしたらバラ売りしてくれた かも?なわけないか)。
  (2003:10:08 20:37:34,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/6, 0.7, 54mm)

定規

ネジ位置の決定などに使う...だけではなく、今回はこれも材料として加工して 使う。アクリル製の30cm定規。100円ショップで購入(今まで普段の生活で使用してき た定規。愛着があるんだけど)。
  (2003:10:08 23:16:53,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/10, -0.9, 54mm)

キズ防止滑りどめ

ペルチェ素子とケース間のパッキングに使用。熱耐久性に優れたものがいいんだ けど...それらは不明。100円ショップで購入
  (2003:10:09 17:40:53,FinePixS1Pro, 絞り優先, F2.8, 1/90, 0.3, 54mm)

ペルチェ素子

40×40mmサイズ。12V動作のペルチェ素子。詳細不明。Yahoo!オークションで3枚セ ット購入。使用するのは1枚だけ。後は予備。
  (2003:10:09 17:45:54,FinePixS1Pro, 絞り優先, F9.5, 1/8, -1.2, 54mm)

シールド線

ToUcam Proからの長時間露出信号をパソコンのLPTまで延長するために使用。税別150円。
  (2003:10:10 19:35:57,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/6, -0.2, 54mm)

ファンガード

ファンに直接触れないようにガードするもの。某YAGレーザー用電源装置から取り外した ものを流用。
  (2003:10:11 15:48:27,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1, 1.0, 54mm)



Fマウントの取り付け


ケースの蓋部分に丸い穴を開ける

フタ側に望遠鏡やレンズを取り付ける。ステップアップリングが収まるように 39mmよりちょっと大きいサイズの穴を開ける。
  (2003:10:08 19:03:10,FinePixS1Pro, 絞り優先, F13, 1/4, -0.9, 54mm)

穴はステップアップリングがちょうどはまるサイズになったらOK。
  (2003:10:08 19:04:26,FinePixS1Pro, 絞り優先, F13, 1/10, -0.6, 54mm)

ステップアップリングを固定するためのネジを通すため3.2mmの穴をまずは1つ 開ける。ステップアップリングとケースを手で固定しながら一度に穴を開けた
  (2003:10:08 19:08:01,FinePixS1Pro, 絞り優先, F11, 1/30, -0.6, 54mm)

1つ穴が開いたら、そこにネジを通してケースとステップアップリングを固定 した状態でさらに2つ穴を開けてネジで固定する。
本当はきちんと測って120度間隔で開けた方がいいのだが...面倒だったの で目分量。
  (2003:10:08 19:16:08,FinePixS1Pro, 絞り優先, F13, 1/10, -0.6, 54mm)

裏面から見た様子。
穴も完全な"円"ではないがこの程度の工作精度で十分。
  (2003:10:08 19:16:38,FinePixS1Pro, 絞り優先, F13, 1/15, -0.9, 54mm)

望遠鏡取り付け部

52mmのフィルタ、K4、K3を取り付けることでケースがFマウントのボディと同じ形状 になった。ケース上部からFマウントまでの距離は21mm、CCD面からのフランジパックは 44mm程度になった。Fマウントの規格上のフランジパックの46.5mmよりもじゃっかん短い。
  (2003:10:11 16:24:56,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/4, 1.0, 54mm)



放熱板の取り付け


底に四角い穴を開ける

今度はペルチェ素子が放熱板に直接当たるようにするための穴を開ける。
これも工作精度は要らないので適当に開ける。
  (2003:10:08 19:35:54,FinePixS1Pro, 絞り優先, F16, 1/8, -0.6, 54mm)

大きさはこのくらい。
  (2003:10:08 19:36:39,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/8, 1.0, 54mm)

ペルチェ素子よりも1回り大きいくらいの穴になる。
  (2003:10:08 19:37:04,FinePixS1Pro, 絞り優先, F16, 1/10, -1.2, 54mm)

放熱板を固定するためのネジ穴を開ける

この穴は放熱板ときちんと位置が合わないと困るので定規で測りつつ位置合わせを して慎重に開ける。
  (2003:10:08 19:49:24,FinePixS1Pro, 絞り優先, F16, 1/20, -0.9, 54mm)

ケースと放熱板に同時に穴を開けるのではなく、ケースに穴を開けてからその位 置に合わせて放熱板に穴を開ける。
  (2003:10:08 19:49:53,FinePixS1Pro, 絞り優先, F11, 1/125, -1.2, 54mm)

放熱板に4つの固定用穴が開いた。
  (2003:10:08 20:14:03,FinePixS1Pro, 絞り優先, F16, 1/45, 1.0, 54mm)

慎重に位置決めをしてケースと放熱板にそれぞれ4つずつ穴を開ける。工作精 度は全体で誤差2mm以内に収まればOK。これでケースに放熱板を取り付けること ができた。
  (2003:10:08 20:13:43,FinePixS1Pro, 絞り優先, F16, 1/30, -1.2, 54mm)



ファンガードの取り付け


ファンが剥き出しだと物にぶつかったりしてファンが壊れたり異音が発生するようにな ることがある。
  (2003:10:11 15:48:53,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/1.5, 1.0, 54mm)

固定しているネジをはずす。
  (2003:10:11 15:51:28,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/6, -1.2, 54mm)

新たにネジを用意してファンガードを取り付ける。ネジは詳細不明の木ネジを使用。
  (2003:10:11 15:55:46,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/4, -0.9, 54mm)



ペルチェ素子とCCDの固定


Dサブ25ピンコネクタの固定

ペルチェ素子の固定とは直接は関係ないが...USB信号、長時間露出信号、ペルチ ェ用電源などを出力するためのDサブコネクタをケースに取り付ける。
  (2003:10:08 21:31:37,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/8, -0.6, 54mm)

30cm定規を切断する

ペルチェ素子とCCDのいい固定方法が思いつかなかったので、定規で挟んで固定す ることに。カッターで筋を入れて力任せに折る。
  (2003:10:08 23:18:09,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/15, -1.2, 54mm)

定規の長さはケースの対角線分ぐらい。
  (2003:10:08 23:18:52,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/15, -1.2, 54mm)

定規の角を落としてケース内に入るようにする。
  (2003:10:08 23:23:09,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/10, -0.9, 54mm)

定規をケースにネジで固定できるように定規とケースに3.2mmの穴を開ける。
  (2003:10:08 23:53:13,FinePixS1Pro, 絞り優先, F22, 1/10, -1.2, 54mm)

キズ防止滑りどめのスポンジを放熱板サイズに切断。
  (2003:10:09 17:47:02,FinePixS1Pro, 絞り優先, F9.5, 1/45, 0.7, 54mm)

さらにペルチェ素子が入る大きさに中をくり抜く。このスポンジには元々固定用の 両面テープがついているのでそれによって放熱板に固定する。
  (2003:10:09 17:55:17,FinePixS1Pro, 絞り優先, F9.5, 1/90, 0.7, 54mm)

スポンジにペルチェをはめ込んでケースを載せた状態。
  (2003:10:09 17:56:09,FinePixS1Pro, 絞り優先, F9.5, 1/45, -0.9, 54mm)

光軸中心の位置合うように定規に9mmの穴を開ける。そしてCCDを定規ではさみ固定 する。
  (2003:10:09 18:22:03,FinePixS1Pro, 絞り優先, F11, 1/60, 1.0, 54mm)



ToUcam Proの基板固定


ToUcamの基板にM1.4のネジを固定する

M1.4サイズだと小さすぎてネジの頭側が固定できないので、頭側にもナットを1つ付 けて固定。

ネジの長さに対して裏面にあるUSBコネクタが邪魔なので...
  (2003:10:08 20:52:56,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/1.5, 0.7, 54mm)

USBコネクタの除去

ニッパーで慎重にUSBコネクタの白いプラスチック部分を切り取る。
  (2003:10:08 22:22:26,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/8, -0.9, 54mm)

USBコネクタの除去

コネクタを根元から切断してUSBコネクタを除去。
  (2003:10:08 22:38:00,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/4, -0.6, 54mm)

ケースに基板をこのように固定できるように1.5mmの穴をケースに開ける。
  (2003:10:08 22:43:27,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/8, 1.0, 54mm)

基板固定方法

左からM1.4のナット、基板、ナット×2、M3のナット、M3のワッシャー、 ナット、ケース、ナットの順でナットをスペーサー代わりにして固定する。
  (2003:10:08 22:41:21,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/6, -0.9, 54mm)

これで基板を固定できた。
  (2003:10:09 18:36:34,FinePixS1Pro, 絞り優先, F16, 1/30, -1.2, 54mm)



CCDの取り付けと内部配線


ToUcam Proの基板を載せてCCD用のリード線の長さをチェックして切断する。
  (2003:10:09 18:36:34,FinePixS1Pro, 絞り優先, F16, 1/30, -1.2, 54mm)

CCDとリード線を接続する。リード線には熱収縮ケーブルをかぶせる。
  (2003:10:09 20:38:17,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/8, -0.6, 54mm)

内部の配線

説明では省略したが、ケースには長時間露出ON/OFF用のスイッチと放熱ファン用の 電源コネクタを取り付けている。

出力はLPT21pin(1)、LPT2pin(2)、ペルチェ素子12V(6)、 ペルチェ素子GND(8)、USB赤(10)、USB白(11)、USB緑(12)、USB黒(13)で配 線した(括弧内はD-SUB25ピンコネクタのピン番号)。
スイッチは内側でノーマル露出モード、外側で長時間露出モードとした。
  (2003:10:09 21:40:52,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/10, -1.2, 54mm)



完成


冷却ToUcam Proの外観

これで完成...と言いたいところだが、まだケース内の密閉と乾燥剤の封入方法 を考え中なので冷却試験はおこなっていない。冷却しない通常使用はOKだが。
  (2003:10:11 15:57:38,FinePixS1Pro, 絞り優先, F19, 1/2, 0.7, 54mm)

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